側頭筋ボトックスは、こめかみの側頭筋にボトックスを注入し、過度な筋緊張を抑える施術です。
フェイスラインの咬筋を扱うエラボトックスとは異なり、側頭筋ボトックスはこめかみの筋肉に作用し、頭痛に関連する緊張の緩和を目的とします。
併用することもありますが、目的と部位が異なるため、ご自身の状態に合った選択が必要です。
➊側頭筋ボトックスとは、どのような施術ですか?
左右のこめかみにある側頭筋へ注入し、過度な緊張と動きを抑える施術です。
側頭筋は口を閉じたり噛んだりするときに使う筋肉で、食いしばりや歯ぎしりの習慣がある方では、過度に発達していることがあります。
筋力を抑えることで、噛む習慣に伴う緊張や痛みの緩和が期待できます。
私も診療で、こめかみの痛みや頭痛を訴える方にご案内することがあります。
側頭筋は顎関節の働きにも関わり、この部分の緊張が強いと頭痛や顎関節の不快感につながることがあります。
美容目的よりも、機能的な不快感を減らすことに重点があるのが特徴です。
➋エラボトックスとは何が違いますか?
エラボトックスは角張った顎のラインをつくる咬筋に、側頭筋ボトックスはこめかみの側頭筋に注入します。
同じボトックスでも、作用する筋肉の場所と目的が異なります。
咬筋が発達すると顎が角張って広く見える一方、側頭筋が発達するとこめかみが目立ったり、頭痛や歯ぎしりに関係したりすることがあります。
| 比較 | 側頭筋ボトックス | エラボトックス |
|---|---|---|
| 作用部位 | こめかみ(側頭筋) | フェイスライン(咬筋) |
| 主な目的 | 頭痛・歯ぎしりの緩和、こめかみの輪郭調整 | フェイスラインをすっきりさせる |
| 実感する変化 | 痛みや緊張の軽減を先に感じることが多い | 顎のラインが細く見える変化 |
「同じ原理を用いていても、側頭筋ボトックスとエラボトックスは、扱う筋肉と目的が大きく異なる施術です。」
➌どちらが自分に合っていますか?
まず確認するのは施術名ではなく、今感じている不快感の場所です。
顎が角張って広く見えることが気になるなら、咬筋を扱うエラボトックスが優先して検討されます。
食いしばり、こめかみのこわばり、頻繁な緊張性頭痛があるなら、側頭筋ボトックスの検討が中心になります。
二つを併用することもあります。
歯ぎしりが強い方では咬筋と側頭筋がともに発達していることが多く、顔全体の筋肉のバランスを見て併用を判断します。
- ✓フェイスラインを細くしたい:エラボトックスを中心に検討
- ✓こめかみの痛み・歯ぎしり:側頭筋ボトックスを中心に検討
- ✓両方ある場合:診察で併用を判断

➍いつから効果が出て、どのくらい続きますか?
注入直後に変化が現れるわけではありません。
およそ1〜2週間かけて、筋肉の緊張が少しずつ緩む過程で実感することが多くあります。
頭痛や歯ぎしりによる不快感も、この時期を経て徐々に減ることが多いと報告されています。
持続期間は一般に3〜4か月程度とされていますが、筋肉の活動量や代謝速度によって異なります。
歯ぎしりや食いしばりが強い方は筋肉が再び発達するのが速く、短く感じる場合があります。
| 時期 | 変化 |
|---|---|
| 1週間以内 | 大きな変化はなく、徐々に筋緊張が緩み始める |
| 2週間前後 | 痛み・緊張の軽減を実感 |
| 3〜4か月 | 効果が続き、その後に再施術を検討 |
➎副作用と注意点
注入部位に腫れ、内出血、軽い痛みなど一時的な反応が出ることがありますが、多くは数日で落ち着きます。
まれに表情がやや不自然に感じたり、噛む力が弱く感じられたりするため、初期は硬い食べ物を避けるとよいでしょう。
こめかみは血管の走行に近い場所なので、解剖をよく理解した医療者が正確な位置と量で行う必要があります。
過量を繰り返し注入すると筋萎縮によってこめかみのくぼみが強まることがあり、すでにくぼみがある方では量の調整が特に重要です。
➏勧める場合と、勧めない場合
私が勧めるのは、食いしばりや歯ぎしりがあり、こめかみに慢性的な緊張や頭痛を感じる方です。
こうした方は、筋力を抑えるだけで日常的な不快感がかなり軽くなることがあります。
反対に、こめかみがすでに大きくくぼんでいたり、加齢でボリュームが不足していたりする場合は、ボトックスより先にボリュームを補う施術を考えることがあります。
医院にとってボトックスは比較的簡単な施術ですが、患者さんの顔の状態によっては、別の方法の方がよい結果につながることを先にお伝えします。
診察では、筋肉の発達と顔全体のバランスを合わせて判断します(個人差があります)。
「側頭筋ボトックスは筋力を抑える施術であり、こめかみのボリュームを補う施術ではありません。」

Qよくある質問
異なる筋肉を扱うため、同時に行う例は少なくありません。
ただし顔全体の筋肉のバランスを見る必要があり、量と順序は診察で決める方が安全です。
過量を繰り返し注入すると、かえって筋萎縮によってくぼみが強まることがあります。
そのため、すでにくぼみがある方では、量の調整や他の施術との併用を検討します。
一般に3〜4か月程度とされていますが、筋肉の活動量や代謝速度によって異なります。
即座の変化ではなく、1〜2週間かけて筋肉の緊張が徐々に緩むことで症状が軽くなることが多くあります。
ただし、すべての頭痛に効くわけではなく、原因によって異なります。
顎の角張りが悩みならエラボトックス、こめかみの痛みや歯ぎしりが悩みなら側頭筋ボトックスを優先して検討します。
正確な判断は、診察で状態を確認した後にご案内します。
診察で筋肉の緊張と顔全体のバランスを確認し、施術を設計します。
ご自身の状態に合わせた量と部位を、診療の中でご説明します(個人差があります)。
側頭筋ボトックスは顔を変えるためではなく、過度に緊張した筋肉に休む余地をつくる施術です。
こめかみの筋肉の過剰な緊張を抑え、頭痛による不快感とこめかみの輪郭にアプローチします。
症状に合う施術を知りたい方は、LUNN皮膚科医院の診察で直接ご確認ください。
LUNN皮膚科医院 皮膚科専門医・院長 パク・ヒョンクォン
韓国医療法第56条に基づく告知:ボトックス後には腫れ、内出血、一時的な不自然な表情、咀嚼機能の低下などが生じることがあります。
治療・施術の結果は個人の状態により異なる場合があります。
本コラムは医学情報の提供を目的として作成しています。







